
”グルーヴ”って色々解釈がある用語♪

グルーヴって言葉は知ってるけど、よくわからないんだよね〜
今回のテーマは「グルーヴについて解説」です!
「もっとグルーヴを意識して」「グルーヴが合ってない」と言われるけど、、、
そもそも「グルーヴって何?」
何かと曖昧にされがちな言葉です。
ただ、”グルーヴを理解して演奏する”のと”何となくで演奏する”のでは、ノリやフレージングに大きく影響します。
そんな曖昧さを解消するべく、ベーシスト目線で解説したいと思います♪
【今回のポイント】
・グルーヴって何?
・グルーブの出し方
・ドラムとの絡み合い
・グルーヴィーなアーティスト
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| タイトル | 内容 |
|---|---|
| グルーヴって何? | ・グルーヴについて ・グルーヴの要素 |
| グルーヴはフレーズの歌い方 | ・フレーズの歌い方 ・弾き方の違い |
| ドラムとベースの関係 | ・ドラムと噛み合うベース |
| グルーヴの構築 | ・8ビートのパターンをグルーヴさせる ・奏法/音価/タイミング/音色 |
| グルーヴィーなアーティスト | ・アーティスト(ベーシスト)の演奏 ・必聴音源(YouTubeリンク)♪ |
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ベーシスと目線のグルーヴとは?〜意味・要素〜
「グルーヴ」という言葉の意味や要素は何でしょうか?
100人の解釈がある言葉ですが、、、
①グルーヴの意味
②グルーヴの要素
③1小節の中で何をするか?
●グルーヴの意味
「グルーヴ(groove)」
・音符では表せない心地よいノリ
・フレーズによって自然に体を揺らされる感覚
・他パートとの「噛み合わせ」で生まれるバンドのノリ

一言で「ノリ」と言ってしまうとそうだけど、いくつかの要素が合わさってグルーヴを作ってるんだ♪
↓
●グルーヴの要素
グルーヴはいくつかの要素が合わさってできています。
| 要素 | 詳細 |
|---|---|
| 音の長さ(音価) | ・フレーズの切り際 ・長め/短め |
| 強弱 | ・強く弾く拍がどこか ・表拍/ウラ拍/ゴーストノート |
| 音色 | ・奏法による違い ・指弾き/ピック弾き/スラップ |
| タイミング(タイム感) | ・ジャストで合わす ・もたる/突っ込む |
| ドラムとの関係 | ・ドラムパターンとの絡み |

例えば「音の長さを変えたからグルーヴが変わった」ということではないんだ。
「いろんな要素を組み合わせて1つのグルーヴを作る」ってこと!
※後ほど、この要素を実際の演奏でチェックしてみます♪
●1小節でフレーズを構築
グルーヴの構築は「1小節の区切りがわかるフレーズ」を考えることも重要です。
4拍子の曲なら「4拍で解決するフレーズを作る」ということです。

例えばこのフレーズの区切りはどこでしょうか?
D7のコードでフレーズを作る例です。
↓

なんだか、まとまりがないフレーズになってますね。。。
[まとまりがない理由]
・毎小節フレーズが違う
・リズムが統一されていない
・4拍の区切りはどこ?

リズムがコロコロ変わって、延々と弾き続けてフレーズの終わりがわからないよね?
「4拍で解決するフレーズ」というのは?
↓

これだと、4拍のパターンがわかりやすく、次の小節がくるフレーズのサイクルがわかります。
[統一したい部分]
・リズムパターン
・音の動き
・強弱/音色
※コードトーンなどの音は多少変わっても問題なし

4小節目は”フィルイン”と言って、元のパターンから少し崩したフレーズを入れて変化をつけるテクニックを使っているよ♪
フレーズを作るときは「1拍目はどこ?」ってならないようにしたいですね!
グルーヴはベースの”歌い方”で変わる
グルーヴの違いは「フレーズの”歌い方”の違い」と思っています。
どうやって歌い方を変えるのでしょうか?
それぞれの要素ごとに検証してみたいと思います。
ここで演奏するフレーズを聴こえたままに歌ってみてください。
その歌い方にグルーヴの答えがあります。
①音の長さ
②強弱
③奏法/音色
④ドラムとの絡み
●音の長さ
「音の長さ(音価)」はグルーヴの重要な要素です。

この長さの違いで、全く別のフレーズになると言っても過言ではないね!
よくある定番フレーズを使って音の長さをコントロールしてみます。
↓

↑
このフレーズを長さを変えて演奏してみます。
↓

音価のバリエーションは色々考えられるね♪
弾くタイミングは同じ。
↓

①②③4の順で演奏♪
音の長さの違いでフレーズの歌い方が変わるのがりますね♪
「ドゥーードゥドゥーー」が、
↓
①「ドゥーンドゥドゥーン」
②「ドゥッンドゥドゥッン」
③「ドゥーードゥドゥッン」
④「ドゥッンドゥドゥーー」
など、長さの組み合わせでグルーヴを変えられるようにしましょう♪
●強弱
ルートだけの8分音符フレーズに強弱を付けて違いを出してみます。
演奏フレーズを聴いて歌い方がどう変わるか?検証してみましょう!
※「>」がアクセント記号(強く弾く)
↓

アタマ拍を強く弾いてアクセントをつけて演奏♪
↓


「ダドゥ・ダドゥ・ダドゥ・ダドゥ」みたいに歌えるかな?
1拍目オモテ/2拍目ウラ/4拍目オモテにアクセントをつけて演奏♪
↓


「ダドゥ・ドゥダ・ドゥドゥ・ダドゥ」の「ダ」のところがアクセントね♪
譜面に書くと8分音符が並ぶだけですが、強弱をつけるとノリが変わります。
強弱をつける方法として”ゴーストノート”を使うこともできます。
※ゴーストノートについてはこちらの記事で→ゴーストノートの弾き方解説♪
●奏法/音色
弾き方を変えてフレーズの歌い方を変える方法もあります。
[音のイメージ]
・指弾き:柔らかい/モコモコ系
・ピック弾き:硬い/ジャリジャリ系
・スラップ:プルで強弱がつく/バキバキ系
・ミュートピッキング:こもる/モコモコ系

オクターブのフレーズで奏法を変えてみよう♪
↓

[歌い方の違い]
・指弾き:ドゥパ・ドゥパ・ドゥパ・ドゥパ
・ピック弾き:ディダ・ディダ・ディダ・ディダ
・スラップ:ディべッ・ディべッ・ディべッ・ディべッ
・ミュートピッキング:ムンぺ・ムンぺ・ムンぺ・ムンぺ

・ピックのアタックとスラップは近い感じ
・スラップのプルは自然にアクセントが付く
・ミュートピッキングはウッドっぽいニュアンス
この「音色+音の長さ+強弱」でグルーヴが生まれるわけですね。
ここにエフェクターや弦の違いなどで音色を変えるとさらにバリエーションが増えていきます。
●ドラムとの絡み
グルーヴにはドラムのパターンと密接な関係があります。
もちろん他の楽器との兼ね合いも大事ですが、リズム隊と言われるパートがこの2つなわけです。

この2つが噛み合うかどうかで、バンド全体のグルーヴが変わってきます。

バンドのノリを左右するのはリズム隊だよね♪
ドラムとの関係は、次の項で詳しく見ていきましょう♪
↓
ドラムとベースのグルーヴの関係
ドラムとの関係について考えてみましょう。
①ドラムのグルーヴ
②スネアとバスドラム
③ジャスト/もたる/突っ込む
●ドラムのグルーヴ
ドラムにもパターンというものがあり、1小節の大きなリズムを決めて叩いています。
8ビートと16ビートのパターンを聴いてみましょう♪



ハイハットやバスドラムの入る位置でビートが変わってくるんだ♪
●スネアとバスドラム
[スネアドラム]
・ドラムセットの中心にある小太鼓
・比較的高い音がする
・基本は2拍目と4拍目に入る
↓

[バスドラム]
・足でペダルを踏んで叩く大太鼓
・低い音がする
・バスドラムは1拍目, 3拍目に入ることが多い
・叩く数は1回か2回、ウラ拍だけの場合など色々
↓


この2つで「重たいノリ」や「前に突っ込むノリ」を作る♪
↓
●ジャスト/もたる/突っ込む
ドラマーにより、ジャンルにより、クセにより、同じドラムパターンでも”もたる(ためる)”や”突っ込む”ということがあります。
メトロノームにジャストで練習はしますが「バンドのノリを前に」「重たく後ろに」みたいに感覚でずらして演奏することがあります。

あくまで”ジャスト”がわかっていることが条件ね!
ただ単に”もたる”は→遅れてるだけ。
”突っ込む”は→走ってるだけ。
なんだよね。
同じ8ビートパターンを「ジャスト/もたる(ためる)/突っ込む」に分けて聴いてみましょう。
テンポは全て”100”です。
↓
ドラムのみ→ベースIN
ドラムのみ→ベースIN

もたるは「ドンタン」に対して「ドンゥダン」みたいな感覚で叩いてる♪
ドラムのみ→ベースIN

テンポが速くなるわけじゃないけど、前に向かってる感じが”「突っ込む」の解釈だね♪
※ドラムとベースの関係はこちらの記事でも解説→ドラムとベースの合わせ方♪
グルーヴの最終課題〜8ビートでノリを出す♪〜
最後にグルーヴの構築をしてみましょう。
課題:譜例の8ビートパターンをグルーヴさせてください。

[構築アイデア]
①奏法を変える
②音の長さを変える
③タイミングを変える
④エフェクターで音色を変える
①奏法を変える
指弾き,ピック弾き,スラップ,ミュートピッキングの4つで演奏。
[ポイント]
・音色の変化
・アクセントの位置


スラップのプルでアクセントが足される♪
音はモコモコ系か、ガリガリ・ゴリゴリ系の違いだね♪
ピック弾きに関しては、ピックの当て方(角度)で音が変わります。
②音の長さを変える
弾くタイミングは同じでそれぞれの音符の長さを変えてみます。
[ポイント]
・スタッカート(音を短く)やテヌート(音を伸ばす)でコントロール
・指弾き




まったく別のフレーズになるね♪
音価(音の長さ)がグルーヴを生んでる!
③タイミングを変える
「ジャスト/もたる/突っ込む」で演奏してみましょう。
[ポイント]
・ピッキングのタイミング
・ドラムのスネアとバスドラの位置を聴く


[もたるドラム]
・ドラムのスネアとバスドラが後ろより
[突っ込むドラム]
・ハイハットとスネアが前より
④音色を変える(エフェクター使用)
音色の変化は、
・奏法によって変える
・ベースのタイプを変える
・エフェクターで変える
・弦の種類を変える
・アンプを変える
・イコライザーで調整
などいろんなやり方がありますが、ここではエフェクターで歪ませてみます。
使用するエフェクターは”サンズアンプ”というモデルです。


ベースだけが歪んでてもダメなんだ。
ギターが歪んで、ドラムもバシバシ叩いて成り立つグルーヴだね♪
※ベースのタイプの違いもわかっておくと音色の変化がつけられます。
・ジャズベースの紹介→記事リンク♪
・プレシジョンベースの紹介→記事リンク♪
グルーヴィーなベーシスト/アーティスト紹介♪
グルーヴを学ぶには、実際の曲を聴いて感覚をつかむことも大事です。
参考にしたいアーティストを紹介します。
[洋楽]
●ジャミロクワイ/スチュワート・ゼンダー
●レッドホットチリペッパーズ/フリー
●JB’s/ブーツィー・コリンズ
●MR.BIG/ビリー・シーン
●ビートルズ/ポール・マッカートニー
●ジェームス・ジェマーソン
[邦楽]
●東京事変/亀田誠治
●ハマ・オカモト/OKAMOTO’S
●J/LUNA SEA
●フュージョン系ベーシスト
●ジャミロクワイ/スチュワート・ゼンダー
フレージング、テクニックなどどれをとっても天才的なベーシスト”スチュワート・ゼンダー”。
ジャミロクワイの音源は必聴♪
[チェックポイント]
・ファンク, R&B
・16ビートのノリ
・ゴーストノートで間を埋める
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・Too Young To Die
・Cosmic Girl
・Virtual Insanity
●レッドホットチリペッパーズ/フリー
ファンクロックのグルーヴと言えばレッチリの”フリー”。
[チェックポイント]
・ロック,ファンク
・指弾きで生み出す強力なノリ
・ドラマーのチャドとのコンビが最強
・高速スラップも魅力
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・AROUND THE WORLD
・Give It Away
・Dark Necessities
●JB’s/ブーツィー・コリンズ
JB’sのブーツィーはファンク界の重鎮。
[チェックポイント]
・ファンク
・繰り返される1小節のパターン
・間の取り方に注目
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・Sex Machine/ジェームスブラウン
・ブーツィーコリンズLive
●MR.BIG/ビリー・シーン
テクニカルベーシスト”ビリー・シーン”
[チェックポイント]
・ハードロック
・8ビートの王道
・8分音符の中にアクセントをつけていく
・ドラマーのパットとの名コンビ
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・ダディブラザーラバーリトルボーイ
・Rock’n Roll Over(Bass&Drumセッション)
・コロラドブルドッグ
●ビートルズ/ポール・マッカートニー
神様”ポール・マッカートニー”。
[チェックポイント]
・ロック
・メロディックなベースライン
・楽曲にハマるフレージング
・独特の音色
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・とりあえずビートルズ全曲
・Something/ビートルズ
・Paperback Writer/ビートルズ
・Rain/ビートルズ
●ジェームス・ジェマーソン
ソウルフルなベースはジェマーソン♪
[チェックポイント]
・16分音符のシンコペーション
・ウォーキングベースの影響もあるライン
・ペンタトニックの多彩なフレージング
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・ワッツゴーイングオン/マービンゲイ
・I Was Made To Love Her/スティービーワンダー
・Ain’t No Mountain High Enough/マービンゲイ&タミーテレル
●東京事変/亀田誠治
名プロデューサー”亀田誠治”。
[チェックポイント]
・足し引きがうまいフレージング
・スライドやグリッサンドでうねるフレーズ
・歪んだサウンド
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・群青日和
・透明人間
・ブラックアウト
・丸の内サディスティック
●ハマ・オカモト/OKAMOTO’S
日本のファンクは”ハマ・オカモト”。
[チェックポイント]
・プレベサウンド
・歌うベースライン
・16ビートのノリ
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・90’S TOKYO BOYS /OKAMOTO’S
・恋/星野源
●J/ルナシー
ピックベースのグルーヴはルナシーの”J”。
[チェックポイント]
・ピック弾きで歪んだサウンド
・ドラマー真也とのゴリゴリ8ビート
・アタック感の強い音色
[おすすめ音源/YouTubeリンク♪]
・ROSIER/ルナシー
・gravity/ルナシー
・Sweetest Coma Again/ルナシー
●フュージョン系ベーシスト
フュージョン系のベーシストはテクニックだけでなく、楽曲に合わせたフレージングに卓越しています。
ぜひ世界中のベーシストのグルーヴをチェックしてみてください♪
[海外のベーシスト]
・ジャコパストリアス
・マーカスミラー
・ジョンパティトゥッチ
・アンソニージャクソン
・リチャードボナ
・ヴィクターウッテン
[日本のベーシスト]
・櫻井哲夫
・成瀬義博
・須藤満
・日野賢二
・清水興
・青木智仁
など
ベーシスト目線でグルーブについて解説〜まとめ〜
ということで「グルーブについて解説」でした!
結局、筆者の主観的な解釈をお伝えしただけです。
なのでグルーヴというよくわからない言葉の意味は、人それぞれ違う考えがあって良いことだと思います。
[グルーヴの要素]
・音の長さ
・強弱
・音色
・タイミング
・ドラムとの関係
[グルーヴの作り方]
・奏法を変える
・音の長さを変える
・ジャスト/もたる/突っ込む
・歪ませる
ただ演奏する前の段階で、「頭の中でその音とフレーズが鳴っていること」が大事です。
「こう弾きたい、こんな音が出したい」があって、その後に楽器から音が出てくる状態。
これが大事です。
だから、その音を探しにいくのです。
いろんな音を聴いて、弾いて、真似して、昇華していく。
これを繰り返す!
「譜面にCってコードが書いてて、Cの音で8分音符を弾こうかな。。。」
では話になりません。
さて、あなたのフレーズは?
どんなグルーヴを生み出しますか?
それが、この楽曲のノリを決めますよ!
テクニックだけじゃないベーシストも目指しましょう♪
ってことで「グルーヴィーになってね〜♪」
「グルーヴ」
いまだにこれといった説明ができない。
だが、確かにある。
グルーヴはある。
その胸の中に。
また会おう♪


















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