
マイナースケールは3種類もあるんだよね♪
使いわけはどうするのかな?

3種類の特徴を見ていこう♪
今回は「ナチュラル・マイナー」「ハーモニック・マイナー」「メロディック・マイナー」の3種類について解説し、それぞれの使い所をベーシスト目線で紹介します。
マイナースケールを理解して、
・ベースラインを広げる
・アドリブに活かす
など、レベルアップをはかりましょう!
【今回のポイント】
・マイナースケール3種類
・違いを解説
・指板で覚える
・スケールを聴く/弾く♪
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タイトル | 内容 |
---|---|
ナチュラルマイナースケール | 構成音/ 指板図/ 使いどころ |
ハーモニックマイナースケール | 構成音/ 指板図/ 使いどころ |
メロディックマイナースケール | 構成音/ 指板図/ 使いどころ |
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ベースで覚えるナチュラルマイナースケール
まずは1つ目のマイナースケール「ナチュラルマイナースケール (自然的短音階)」です。
このスケールが一般的なスケールになります。
①構成音
②指板でチェック
③使いどころ
④メジャースケールとの関係性
①構成音
”Aのナチュラルマイナースケール”を覚えましょう。
※ピアノの白鍵のみで弾ける音階
構成音:A-B-C-D-E-F-G(ラ-シ-ド-レ-ミ-ファ-ソ)

②指板でチェック
Aのナチュラルマイナースケールをベースの指板で覚えましょう♪


このスケールの形を別のポジション(ルート)でも弾けるようになると曲のキーが変わったときに便利です♪
例として”Cのナチュラルマイナースケール”を弾いてみましょう♪
↓


形はそのままでスタートの音を”C”に変えるだけです。

「スケールは形で覚える」のが基本♪
③ベースラインでの使いどころ
ロック,ポップス,R&B,ジャズなどあらゆるジャンルで使われます。
ナチュラルマイナーが使えるコードは?
「そのkeyの6度に当たるコード」です。

↑
これはダイアトニックコードって理論を覚える必要があるんだけど、
・曲のkeyをもとに7つのコードができる
・これを”ダイアトニックコード”という
・その7つのコードの6番目で使えるスケール
ってこと♪
key=Cの場合はAm7(Am)のところですね♪
↓

ダイアトニックコードについて詳しくはこちらで→ダイアトニックコードの解説♪
④メジャースケールとの関係性
ナチュラルマイナースケールはメジャースケール(ドレミファソラシド)と密接に関係しています。
Aナチュラルマイナーの3番目の音(ド)から音階を弾くと?
↓

「ドレミファソラシド」になります!
これは”相対調”と言って「同じ調合の曲の中にあるメジャースケールとマイナースケール」の関係になります。
key=Cの場合はCメジャースケールと”Aマイナースケールになります。

曲のメロディをメジャー系(明るく)にするか、マイナー系(暗く)にするかで中心を決めるんだ♪
その中心にある音が曲のキーになる。
[ナチュラルマイナー/まとめ]
・基本的なマイナースケール
・幅広いジャンルで使われる
・ダイアトニックコードの6番目のコードで使う
・弾き始めを変えるとメジャースケールにもなる
・アドリブにも使える
ベースで覚えるハーモニックマイナースケール
次は「ハーモニックマイナースケール(和声的短音階)」
ナチュラルマイナースケールの音が1つ変化したスケールです。
①構成音
②指板でチェック
③使いどころ
④ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ
①構成音
”Aのハーモニックマイナー”を見てみましょう♪
構成音:A-B-C-D-E-F-G#(ラ-シ-ド-レ-ミ-ファ-ソ#)
7番目の音が半音上がって”メジャー7th”になっています。

②指板でチェック
指板でチェック♪
ナチュラルマイナーの形が1つ変化しています。
Aナチュラルマイナースケールの形をチェックしましょう♪
↓


こちらもポジション移動できるようにしましょう♪
”Gのハーモニックマイナースケール”
↓


もちろん形は同じでスタートが4弦3フレットになっただけです。
③ベースラインでの使いどころ
[使いどころ]
・ナチュラルマイナーで弾くアドリブで一瞬だけ7度を半音上げる
・エキゾチックな響きを出したいとき
・ラテン系,メタルのユニゾンフレーズ,ジャズ,クラシックなど

ベースラインとしては、このスケールから派生したスケールを使うことが多いかも?
↓
④ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ
「ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ」という長〜い名前のスケールがあります。
”Hmp5th↓”←こんな表記もされます。
これは「ハーモニックマイナーの完全5度の音から弾いたスケール」という意味です。
※パーフェクト5th=完全5度
key-Cの場合の”Eのハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ”をみてみましょう♪
↓


少し”インド音階”っぽい感じがしませんか?
このスケールはジャズでかなり使われます。
例えば、key=Cのとき、”E7-Am”というコード進行の”E7”でこのスケールを使います。

ダイアトニックの発展系なんだけど、3番目のコード”○m7”が”○7”になったとき、このスケールを使うんだ。
”3度7th”ってコードね♪
なんとなくの感覚で「マイナーコードの手前の7thコードでこのスケールかな?」みたいに考えてもOKです。
もちろんダイアトニック理論を覚えておけばすぐに対応できます。
→「ダイアトニックコードを覚える♪」
[ハーモニックマイナー/まとめ]
・ナチュラルマイナーの7番目が半音上がる
・エキゾチック、クラシカルなスケール
・5度から始まる”ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ”もよく使う
・アドリブではナチュラルマイナーとセットで使ってもOK
ベースで覚えるメロディックマイナースケール
メロディックマイナースケール(旋律的短音階)は、浮遊感のある響きのスケールです。
ナチュラルマイナーの音が2つ変化します。
①構成音
②指板でチェック
③使いどころ
④オルタードスケール
①構成音
構成音:A-B-C-D-E-F#-G#(ラ-シ-ド-レ-ミ-ファ#-ソ#)
6番目と7番目の音が半音上がっています。

このスケールは上行するときは6番目と7番目の音が半音上げて演奏しますが、下降するフレーズでは6番目と7番目は元の音(ナチュラル)にします。

#をつけたまま下降すると、途中までメジャースケールと同じ音階になるんだ。
マイナー感を出すためにもとに戻して演奏するんだね♪
ただ、現代音楽では#のままメロディを演奏することもあります。
結局、曲がよければ良いので、古典的な考えはなくてもいいという感じです。
”#からナチュラルにした音階”と”#のままの音階”を聴き比べてください♪
↓
あとは、好みでフレージングですね♪
②指板でチェック
指板でチェック♪
変化する2つに注目!
Aメロディックマイナースケールの形をチェック♪
↓



音階を上行するとき4番目の音から後半はメジャースケールの動きだよ♪
ポジションを移動して、”Fのメロディックマイナー”で弾いてみましょう♪
↓


③ベースラインでの使いどころ
[使いどころ]
・ジャズやフュージョンでよく使われる
・○mM7(マイナーメジャー7th)というコードにフィットする
・暗くなく明るくなくな浮遊した感じにしたいとき
こちらのスケールからも派生する重要なスケールがあります。
↓
④オルタードスケール
メロディックマイナーの7番目から弾いたスケールが「オルタードスケール」です。
Aのメロディックマイナーをもとに見ると、7番目の音はG#になります。
ここから弾き始めればいいのです♪
↓


[オルタードスケールの使いどころ]
このスケールは”○7”で使うことができます。
かなり強烈な緊張感を作るスケールなので、ポップスやロックではあまり使われません。
ジャズのアドリブで使われることが多いです。
先ほどの”E7-Am”のコード進行の”E7”の所で使うことができます。

オルタードテンションと言って、緊張感や刺激がある音が全部入ったスケールなんだ♪
複雑なアドリブにはぴったりかな♪
オルタードスケールはこちらでも紹介→「ベーシストのためのスケール講座♪」
「浮遊感、曖昧さ、現代的」なスケールになります。
ベースで覚えるマイナースケール3種類〜まとめ〜
ということで「マイナースケール3種類の紹介」でした!
マイナースケールの練習で初めに覚えるのは「ナチュラルマイナースケール」だと思います。
のちに「3種類もあるの!?」ってなるわけですが、ポイントだけ絞って覚えればOKです♪
「ナチュラルマイナーを基準に変化する音を覚える」です!
[ナチュラルマイナー]
・基本のマイナースケール
・幅広いジャンルで使われる
・3番目の音から弾くとメジャースケールになる
[ハーモニックマイナー]
・ナチュラルマイナーの7番目の音が半音上がる
・エキゾチック系のスケール
・マイナーコードの強力な解決感が欲しい場面
・5番目から弾く”ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ”も覚える
・”○7-○mのコード進行で使うと有効
[メロディックマイナー]
・ナチュラルマイナーの6番目と7番目の音が半音上がる
・マイナーコードに浮遊感(曖昧さ)が欲しい場面
・七番目から弾くと”オルタードスケール”になる
・ジャズのアドリブに有効
それぞれ使いどころが違いますが、曲の方向性やアドリブの味付けなど、変化が欲しい場面で使うわけです。
王道を行くなら、ナチュラルマイナーで問題なしです。
そしてたまには、王道からの変化を楽しむこともいいですよね♪
ってことで「マイナースケールを使いこなしてね〜♪」
マイナーな響きは様々。
その昔、
音楽家の心に響いた音が、
3つの音階を作りあげたのだ。
心模様も様々。
また会おう♪
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