ベースのコード理論・ダイアトニックコードを覚えよう♪

今回は「ベースのコード理論について解説」です！

理論を覚えると？
・コードを見て使える音がわかる
・ベースのフレーズが作れる
・曲のアレンジができる
・スケールの理解につながる
・音楽の理解が深まる

ちょっと難しい内容になりますが、順を追って解説していきます。

タイトル	内容
コード理論の基礎	・和音、コードネーム ・キーって何？
ダイアトニック理論	・ダイアトニックの基礎知識
ダイアトニックコードを覚える	・ベーシスト目線で理解する ・7つのダイアトニックコード
ダイアトニックコード一覧表	・各キーのダイアトニック一覧

それでは今日も行ってらっしゃい♪

コード理論~基礎知識~

まずは”コード(和音)”について解説します。

[解説する項目]
①コード(和音)
②コードネーム
③キー(Key)

①コード(和音)

2つ以上の異なった音が同時に鳴ると”和音”になります。

オクターブ違いの音が同時になってもコードとは言いません。
単音はもちろんコードではないです。
↓

②コードネーム

コードは楽譜などに表記するとき”コードネーム”を付けて表記します。

例えば「ド・ミ・ソ」というコード(和音)を楽譜に表記する場合→「C」と言うアルファベットで表記されます。
「ド・ミ♭・ソ」になると「Cm」というマイナーコードになります。
↓

その他のコードもチェックしておきましょう♪
↓

[コードネームの読み方]
・アルファベットはそのまま読む
・大文字の”M”はメジャー
・小文字の”m”はマイナー
・数字は英語読み
↓
C：Cメジャー
CM7；Cメジャーセブン
C7：Cセブン
Cm：Cマイナー
Cm7：Cマイナーセブン

②キー(Key)

キーは「Key=C」みたいに表示されます。
「このキー(Key)って何？」

[キーとは？]

・その曲の”中心になる音”、”中心になるスケール”
・キーが”C”の場合
「Cから始まるド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」でメロディやコードが作られる
・Cメジャーキー”という
・日本語では”ハ長調”

[キーが変わればどうなる？]

・中心になる音やスケールが変わる
・キーが”G”になれば、スケールが「ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ＃・ソ」になる
※Gからスタートしたスケールが「ドレミファソラシド」に聴こえるように音を並べる

「ドレミファソラシド」に聴こえましたよね？
これを「ドが移動した」ということで「移動ド」と言います。

「ファ＃」ではなく「ファ」のままで聴いてみましょう。
↓

↑
「ドレミファソラシド」の「シ」の所が違和感ありますよね？

[調号]

キーを譜面上で表すために”調号”というものを使います。

楽譜の先頭に付いた「＃(シャープ)」「♭(フラット)」の記号の数でキーがわかります。

先ほどのkey=Gならシャープが1つ「ファ」の音につきます。
↓

調号をつければ、毎回「ファ」の音に＃をつける必要はなくなります。

調合の数は、key=Cがゼロから始まり、1〜7個まであります。
↓

＃と♭の数は4つくらいまで覚えれば充分です。
あまり出会わないと思いますが、、、
↓
シャープ6個でkey=F#
フラット6個でkey=G♭
シャープ7個でkey=C#
フラット7個でkey=C♭

音楽理論~ダイアトニックを覚える~

「音楽理論」を知る上でかかせないのが「ダイアトニック理論」です。

”ダイアトニック”という難しそうな言葉が出てきましたが、詳しく解説していきます。

①音楽理論
②ダイアトニック理論について
③ダイアトニックコード

①音楽理論

まずは大きなカテゴリーの”音楽理論”についてです。

音楽理論：音楽に関する知識のこと
●音階(スケール)：ドレミ〜など
●音程(インターバル)：ドとミの音の高さ低さ
●リズム：音の長さの組み合わせやドラムパターン
●コード：2つ以上の異なる和音
●調性(キー)：曲の中心になる音階、音
●旋律：曲のメインになるメロディ

などの音楽を理解するための知識を”音楽理論”といいます。

日本語を知らない人に日本語で話しかけても理解されませんよね？
お互いの”共通言語”にあたるのが”音楽理論”ということです。

②ダイアトニック理論について

”ダイアトニック理論”を簡単に言うと「音のグループを決めてその中で曲を作ること」です。

ここでいう”音のグループ”とは「ドレミファソラシド」になります。

例えるなら「7色の色えんぴつだけで絵を描く」ということ。
「赤・青・黄色・緑・オレンジ・紫・ピンクの7色で絵を描く決まり」を作るということです。

↑
これが”ダイアトニック理論で音楽を作る”ということ。

決められた枠の中で音楽を作っていく理論です。
”その枠からはみ出すこともできる”のですが、ここではダイアトニックのみで解説します。
↓

③ダイアトニックコードについて

[ダイアトニックコード]
決められた音階(ドレミファソラシド)を使ってできたコード(和音)のこと。

”ドレミファソラシ”の7つの音から、3つや4つの音を組み合わせてコードを作ります。

それぞれに”コードネーム”をつけて覚えれば、ダイアトニックを理解する第一歩です。

次の項で実際に、ダイアトニックコードについてベースを用いて理解していきましょう♪
↓

ベースでダイアトニックコードを覚える

「コード理論＝ダイアトニックコードを覚える」と思ってOKです♪

この項では、音符も使いますが、ベースの指板上で理解していくことが大事だと考えています。
なので、音程などを測るときはベースで実際に音を確認しながら、解説していきます♪

[ダイアトニックこコードを覚える手順]
①キーを決める
②和音を作る
③コードネームをつける
④度数をつける
⑤キーを変える
⑥ダイアトニックコードを使った曲

①キーを決める

まず、「曲のキー」を決めます。
”曲の中心になる音”ですね。

ここではキーを”C”で考えます。

「Cから始まるドレミファソラシド」を使って和音を作っていきましょう♪
指板上のポジションを把握しておいてください。
↓

②和音を作る

※ベースの楽譜は”ヘ音記号”を用いますが、ここでは便宜上”ト音記号”で解説します。

[和音を作る決まり]
・音符を1つ飛ばしで積み上げる
・最初の音が”ド”なら”ド・ミ・ソ”(C・E・G)
・4和音なら”ド・ミ・ソ・シ”(C・E・G・B)
・最初の音が”レ”なら”レ・ファ・ラ”(D・F・A)
・4和音なら”レ・ファ・ラ・ド”(D・F・A・D)
↓

まず3つの音(3和音)を重ねて7つのコードを作ります。
↓

さらに和音を重ねて4和音にしてみましょう♪
”洗練された感じ”や”切なさ”を出したい場合は、音をプラスして4和音で響きをつけます。
↓

これで、Cから順番に7つの和音ができましたね♪

ルート	3和音	4和音
ド(C)	ドミソ	ドミソシ
レ(D)	レファラ	レファラド
ミ(E)	ミソシ	ミソシレ
ファ(F)	ファラド	ファラドミ
ソ(G)	ソシレ	ソシレファ
ラ(A)	ラシド	ラシドミ
シ(B)	シレファ	シレファラ

③出来た和音にコードネームをつける

この時点ではまだ音を重ねただけなので、7つの和音にコードネームを付けていきます。

[手順は？]
ルートをアルファベット表記→メジャーかマイナーか決める→5度と7度を足す

それではやってみましょう♪
↓

ルートをアルファベット表記する

各和音の一番下の音が”ルート”です。
「ドレミファソラシ」を「C・D・E・F ・G ・A ・B」と表記します。
↓

この音を基準に他の音との音程を測ってコードネームを付けていきます。

あとは音程を測るために広い範囲で音を把握しておきましょう。
ポジションを変えた方が音の関係がわかりやすくなります。
↓

[メジャーかマイナーか？]

コードが「メジャーかマイナーか」を決める音は”3度”の音です。

[3度]
3度は和音の2つ目の音
「ド・ミ・ソ・シ」なら「ミ」の音

[チェックポイント♪]
・ルートから3度までの音程をチェック
・ルートから3度まで指板上の形でメジャーかマイナーを判断する
・それぞれ”メジャー3度”と”マイナー3度”という
・マイナーの場合コードに”m”を付けて表記
・メジャーの場合はアルファベットのみ表記

ベースの指板で音程を測ってみましょう♪
↓

音程がわかりやすいポジションで測ってください。
E, A, Bは7フレットに移動させた方が形が見えやすいです。
↓

メジャーとマイナーを分けて出来たのがこちら
↓

↑
とりあえず”メジャーとマイナー”を分けただけなので、まだ完成ではないです。

[5度は表記する？]

[5度]
5度は和音の3つ目の音
「ド・ミ・ソ・シ」なら「ソ」の音

”5度は7番目のコードだけ変化する”と覚えます。

5度はルートから見て”完全5度”と言われる音程にあり、コードに表記しなくていいのですが、
↓
7番目のコードだけ”半音下がった”フラット5度(♭5th)”という音(減5度)になります。

指板上ではBとFの音程が通常の5度の位置にありません。
↓

ここまでで3和音のダイアトニックコードは完成です。
↓

このダイアトニックコードを順番に弾くと「ドレミファソラシド」に聴こえます♪
↓

これで”3和音のダイアトニックコード”は完成です。

[4和音の場合は7度をプラス]

[7度]
7度は和音の4つ目の音
「ド・ミ・ソ・シ」なら「シ」の音

[チェックポイント]
・ルートから7度の幅が”半音か1音か”で判断する
・オクターブ上げたポジションで測ってもOK(画像参照)
・半音の幅(1フレット分)：メジャー7th
・1音の幅(2フレット分)：7th
↓

指板上の音でチェックしていきましょう♪
↓

それで出来たのがこちら
↓

こちらも響きがちょっと”おしゃれな感じ”に聴こえます。
順番に弾くと「ドレミファソラシド」に聴こえますか？
↓

これで4和音のダイアトニックコードの完成です！

曲が必要としているコードを選びたいですね♪

④度数をつける

仕上げに出来たダイアトニックコードを度数表記(ディグリー表記)しておきます。
これはキーを変えた時に重要になってくるので、必ず覚えましょう♪

ドが1度「一番目のコード」
レが2度「二番目のコード」と覚えます。

表記の決まりは、1度は”Ⅰ度”(ローマ数字)で表記します。
2度は”Ⅱ度”、3度”Ⅲ度”、4度”Ⅳ度”・・・7度”Ⅶ度”となります。

正確には”Ⅰ度M7”、”Ⅱ度m7”・・・”Ⅶ度m7(♭5)”

この番号が次の”キーチェンジ”に役立ちます♪
↓

④キーを変える(キーチェンジ)

キーがCの曲ばかりではないので「キーを変える」作業が必要です。

キーチェンジの手順は？

1.変えたいキーを決める
↓
2.移動ドでドレミファソラシドを作る
↓
3.ドレミ〜はアルファベットに直す
↓
4.”ドレミ〜”の各音にダイアトニックの度数を当てはめる
↓
7つのダイアトニックが完成

1.変えたいキーを決める

ここではキーを”D”に変更します。

中心が”D”になりますね。

2.移動ドでドレミファソラシドを作る

Dから始まるメジャースケール(ドレミファソラシド)を弾いて音を確認しましょう♪
ベースの指板上では運指の形を移動するだけです。
↓

「レ・ミ・ファ＃・ソ・ラ・シ・ド＃」になります。
ここにもう一手間加えて、アルファベットに直しておきます。
↓

3.アルファベットに直す

「レ・ミ・ファ＃・ソ・ラ・シ・ド＃」をアルファベットに直します。

「D・E・F＃・G・A・B・C#」に直せましたね♪

4.度数を当てはめる

後は、ルート(アルファベット)と度数を合わせるだけです。

「D・E・F＃・G・A・B・C#」
↓
「D(Ⅰ)・E(Ⅱ)・F＃(Ⅲ)・G(Ⅳ)・A(Ⅴ)・B(Ⅵ)・C#(Ⅶ)」
と変換できていたらOKです！

ここに「Ⅰ度M7・Ⅱ度m7・Ⅲ度m7・Ⅳ度M7・Ⅴ度7・Ⅵ度m7・Ⅶ度m7(♭5)」を当てはめていきます。
合わせる部分は”Ⅰ度M7”の”M7”のところです。
↓

ルートと度数を合わせていくと
↓
”D＋Ⅰ度M7”→DM7
”E＋Ⅱ度m7”→Em7
・
・
・
”C#＋Ⅶm7(♭5)”→C#m7(♭5)

key=Dのダイアトニックコードはこちら♪
↓

これでキーチェンジができました！

他のキーも手順は同じです。

プロの方々は、キーを丸暗記しているので、この作業をしなくても勝手にできます。
でもまずは、音階から割り出すことから始めましょう！

⑤ダイアトニックコードを使った曲

「このダイアトニックコードはどこで使われているの？」

とりあえず、多くの曲で使われていますが、楽曲のコード進行で確認してみましょう♪

チェリー/スピッツ

[チェリー/スピッツ]
key=C

コード進行は？
↓

使われているコードを見ると、”キーがCのダイアトニックコード”で出来ているのがわかります。

マリーゴールド/あいみょん

[マリーゴールド/あいみょん]
key=D

コード進行をチェック♪
↓

基本があってアレンジができるわけですね♪

⑥モードと合わせて覚える

ここはめちゃ重要です！

7つのダイアトニックコードでそれぞれに使える音階があります。
それが「モード」と呼ばれる7つの音階です♪

モードも「ドレミファドラシド」を使って作ります。
”音を積み上げる”ではなく”音階を作る”です♪
↓
”ド”からスタートした「ドレミファソラシ」→イオニアン・モード
”レ”からスタートした「レミファソラシド」→ドリアン・モード
”ミ”からスタートした「ミファソラシドレ」→フリジアン・モード
といった感じで7つのモードができます。

key=Cのダイアトニックコードとモードを確認しましょう！
↓

ダイアトニックコード	モード	構成音
CM7(Ⅰ度M7)	イオニアン	ドレミファソラシ
Dm7(Ⅱ度m7)	ドリアン	レミファソラシド
Em7(Ⅲ度m7)	フリジアン	ミファソラシドレ
FM7(Ⅳ度M7)	リディアン	ファソラシドレミ
G7(Ⅴ度7)	ミクソリディアン	ソラシドレミファ
Am7(Ⅵ度m7)	エオリアン	ラシドレミファソ
Bm7-5(Ⅶ度m7-5)	ロクリアン	シドレミファソラ

モードについて詳しくはこちらの記事で→ベーシストのためのモード講座♪

ベースで覚えるダイアトニックコード~一覧表~

各キーのダイアトニックコードの一覧です。

ダイアトニックコード一覧表

コードは”Ⅰ度M7”から順に並んでいます。
※7番目のコードの「♭5(フラット5度)」は表記を「-5」と表記

キー	ⅠM7	Ⅱm7	Ⅲm7	ⅣM7	Ⅴ7	Ⅵm7	Ⅶm7-5
C	Cm7	Dm7	Em7	FM7	G7	Am7	Bm7-5
D♭	D♭M7	E♭m7	Fm7	G♭M7	A♭7	B♭m7	Cm7-5
D	DM7	Em7	F#m7	GM7	A7	Bm7	C#m7-5
E♭	E♭M7	Fm7	Gm7	A♭M7	B♭7	Cm7	D♭m7-5
E	EM7	F#m7	G#m7	AM7	B7	C#m7	D#m7-5
F	FM7	Gm7	Am7	B♭M7	C7	Dm7	Em7-5
F#	F#M7	G#m7	A#m7	BM7	C#7	D#m7	Fm7-5
G♭	G♭M7	A♭m7	B♭m7	C♭M7	D♭7	E♭m7	Fm7-5
G	GM7	Am7	Bm7	CM7	D7	Em7	F#m7-5
A♭	A♭M7	B♭m7	Cm7	D♭M7	E♭7	Fm7	Gm7-5
A	AM7	Bm7	C#m7	DM7	E7	F#m7	G#m7-5
B♭	B♭M7	Cm7	Dm7	E♭M7	F7	Gm7	Am7-5
B	BM7	C#m7	D#m7	EM7	F#7	G#m7	A#m7-5

3和音にする場合は、コードネームの”7”以降をなくせば3和音コードになります。

キーの設定

キー設定で迷うのは”異名同音”といわれる音がキーになった場合です。

異名同音は、どちらのキーに設定してもいいです。
でもキー設定により、楽譜やコードが読みやすいなど関わってきます。

例えば、異名同音のキーで”C#かD♭か迷った場合、調号の数で判断します。
C#→シャープ7個
D♭→フラット5個

なので、調号の少ないD♭を選んだ方が楽譜は読みやすくなります。

どちらにしても、調号の多いキーは大変ですけどね。
調号4つまでは、、、まぁなんとか。。。

ベースで覚えるコード理論・ダイアトニックコード~まとめ~

理論などなくてもベースは弾ける。

確かにそうなのだが、

音楽を始めた当時から、
作曲やアレンジをしたかった。

そのため
コード理論は必須だ。

文字が書けなくても、
しゃべることはできる。

だが、
書けた方ができることは広がる。

そんな感じだ。


また会おう♪