
半音下げチューニングをするアーティストは結構いるんだよね。

バンドスコアに「半音下げ」や「half step down」みたいに表示されているんだ♪
今回は「ベースの半音下げチューニングのやり方」を解説したいと思います。
[こんな方におすすめ]
・半音下げるって何?
・バンドスコアの表示がわからない
・何の音に合わせるの?
・チューニングのやり方は?
初心者でも簡単にできるチューニングなので一緒にやってみましょう!
でも、基本的なチューニングはできる状態にしておいてくださいね♪
※基本のチューニングはこちらの記事で→チューニングのやり方を解説♪
【今回のポイント】
・半音下げの手順
・合わせる音の把握
・半音下げる場合の注意点
(タイトルクリックでスキップ♪)
| タイトル | 内容 |
|---|---|
| 半音下げチューニングとは? | ・レギュラーチューニングの違い ・タブ譜の表記 |
| 半音下げチューニングのやり方 | ・チューナーを使う ・合わせる音を覚える |
| 半音下げした後のセッティング | ・チューニングした後のセッティング ・弦高/ネック調整/オクターブピッチ |
| 半音下げチューニングの曲紹介♪ | ・アーティストの楽曲 |
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ベースの半音下げチューニングとは?〜合わせる音〜
まずは「半音下げって何?」から解決していきましょう。
①半音下げチューニング
②メリット
③タブ譜の表記
④注意点
●半音下げチューニング
その名の通り「標準(レギュラー)のチューニングを半音下げる」のが「半音下げチューニング」です
何の音に合わせるのでしょうか?
レギュラーチューニングと比べて見ましょう。
[4弦からのチューニングを比較]

[レギュラーチューニング]
4弦ベースの場合:4弦目から→E-A-D-G
5弦ベースの場合:5弦目から→B-E-A-D-G

[半音下げチューニング]
4弦ベースの場合:4弦目から→E♭-A♭-D♭-G♭
5弦ベースの場合:5弦目から→B♭-E♭-A♭-D♭-G♭

チューナーのモデルによっては違う音の表示になるから、「異名同音」でも覚えておこう!
↓
4弦ベースの場合:4弦目から→D#-G#-C#-F#
5弦ベースの場合:5弦目から→A#-D#-G#-C#-F#

●メリット
半音下げのメリットは?
↓
[最低音の”E♭”を出したい]
・レギュラーチューニングは最低音が”E”
・”E♭”を使う曲でベースのルートが3弦6フレット
・ここは中音域で低音域よりやや高い音域になる
・低音をしっかり出したい時は4弦をE♭にする

[半音下げチューニング]
4弦ベースの場合:4弦目から→E♭-A♭-D♭-G♭
5弦ベースの場合:5弦目から→B♭-E♭-A♭-D♭-G♭


”E♭”を低音で出すためには、4弦の開放弦が”E”のままではダメなんだ。
だから、半音下げで”E♭”が出るようにするってこと!
[ボーカルが歌いやすくなる]
・レギュラーチューニングのキーで歌いづらい
・半音下げて歌いやすくする
・1音下げをするバンドも、、、
[キーを下げてもポジションはそのまま]
”ボーカルが歌いやすい”話とつながってますが、例えばボーカルに「半音だけキーを下げたいから、よろしく」と言われたとき、、、
全楽器(打楽器以外)は半音下げて演奏する必要があります。
↓

そんなとき便利なのが半音下げチューニングです!
タブ譜上のフレーズは同じでも出てる音は半音下の音が出るので、結果キーが半音下がった状態になります。


半音下げチューニングをしないで演奏すると、”E♭”を弾くとき開放弦が使えなくなるんだ。
こんな感じ。
↓

↑
先ほどの開放弦を使ったフレーズとは全く変わってしまいますね。
ポジションを覚えなおすのは面倒なので、チューニングを下げて対応する感じですね♪
●タブ譜の表示
タブ譜やバンドスコアに半音下げの表示があります。
この表示がある曲は”半音下げチューニングで演奏する”という意味。
表示の仕方は「半音下げ」「Half Step Down」「Tuning Half Down」と表示されます。
↓

ベースの他にギターのタブ譜にも同じ様に表記されます。
たまに、タブ譜の先頭に音名を表記していることもあるので、見落とさないようにしてください。
↓


譜面の最初に表記があるよ♪
表記がない場合はレギュラーチューニング。
●注意点
半音下げをするとき、いくつか注意点があります。
[テンション感が弱まる]
弦がゆるむので弦を押さえる感覚が少し変わります。
「ゆるくなって押さえやすい」ということもありますが、ビビリが出たりするので楽器の調整が必要になります。
※楽器の調整は後ほど解説♪
[半音下げ用に太めの弦を使うと安定しやすい]
弦の張りがゆるくなる対策として、弦のゲージを太くするということもできます。
太めの弦でテンション感を強くするということです♪
※ゲージについてはこちら→ベース弦の構造・ゲージ解説♪
[レギュラーチューニングの曲がでチューニングをする手間]
ライブでレギュラーチューニングの曲と半音下げの曲をやるときは、チューニングを変えるのがめんどくさくなります。
”レギュラー用”と”半音下げ用”のベースを2本用意するという手もありでしょうか?

メジャーのアーティストさんたちは、ベースを2本以上用意してるよね♪
ベースの半音下げチューニングのやり方〜手順を解説♪〜
ではここからベースで半音下げをする時の手順を解説していきます。
①チューナーを用意
②現在のチューニングを確認
③合わせる音を把握
④4弦から合わせる(1弦からでもOK)
⑤最初に合わせた弦をもう一度確認
⑥ディスプレイ表示の違い
⑦半音下げモードがあるチューナー
①チューナーを用意
チューナーを使って合わせていくので、必ず用意してください。
チューナーのタイプは?
・クリップタイプ
・ペダルタイプ
・カードタイプ
どのタイプでも使えます。
↓

今回は”クリップタイプ”で合わせていきます。
※使用モデル:KORG/AW-LT100G
モードの選択ができるチューナーは”クロマチック・モード”にしてください。
↓

②現在のチューニングを確認
まずは今のチューニングがどうなっているかを確認しましょう。

「E-A-D-G」なので、レギュラーチューニングですね。
③合わせる音を把握
「E-A-D-G」を半音下げて「E♭-A♭-D♭-G♭」にします。
ただし、ディスプレイの表示が違う場合fがあるので注意しましょう!

※モデルによって「D#-G#-C#-F#」になることも考慮

モデルによって表示が変わるから「半音下がったら何の音か?」覚えておこう♪
④4弦から合わせる(1弦からでもOK)
チューニングは1弦からでも4弦からでもどちらでもOKです。
[4弦の半音下げチューニング]
・弦を弾いて表示を確認
・Eからメーターを下げていく
・E♭(D#)になるまでペグを回す(下げる)

E♭の表示を確認して、メーターを真ん中まで合わせる。
↓

[1~3弦の半音下げチューニング]
・4弦でやった手順を繰り返す
・3弦→A♭(G#)
・2弦→D♭(C#)
・1弦→G♭(F#)


このチューナーの表示は「E♭,G#,C#,F#」だったよ♪
4弦だけフラットの表示だね。
⑤最初に合わせた弦をもう一度確認
レギュラーチューニングでも同じですが、4弦全てチューニングが終わったとき、最初に合わせた弦のチューニングはズレています。
最初に合わせた弦(4弦,3弦)は音程が高くなっています。
↓

これはチューニングを変えるとネックが動くからです。

弦をゆるめる作業だから「ネックが逆反りする=チューニングは上がる」
ってことになるから、もう一回チューニングしなおさないとてダメなんだ♪
以上が「半音下げチューニングのやり方」です。
簡単ですね!
⑥ディスプレイ表示の違い
チューナーのモデルによってディスプレイの表示が違います。
・YAMAHAのモデルは”E♭”が”D#”で表示
・アプリのチューナーは「E♭,A♭,C#,F#」で表示



どんな音の表示になってもわかるようにしておこう!
⑦半音下げモードのあるチューナー
チューナーに”半音下げモード”がついているタイプもあります。
例えば”KORG/AW-4G”というモデルには「半音〜2音半下げ」までのできるモードがついています。
↓

モードの設定をしたあとは「E-A-D-G」に合わせるだけで、半音下げができます。

右上の”FLAT 1”って表示が”半音下げ”のことね♪
1音だと”FLAT 2”。
2音下げは”FLAT 4”。
おすすめチューナーはこちらの記事で紹介→ベース用おすすめチューナーの紹介♪
ベースを半音下げチューニングした後のセッティング
最後にチューニングが完了した後のにする調整を紹介します。
チューニングしただけで終わりじゃないです。
①ネック調整
②弦高調整
③オクターブピッチ
①ネック調整
レギュラーチューニングから半音下げると”ネックの調整”が必要になります。
「チューニングを変えるとネックは動く」ということで、ネックの反りを調節しないといけません。

リペアショップでネック調整をしてもらうとき「チューニングはレギュラー?半音下げ?」っていつも聞かれる。
チューニングのタイプでネックの調整も変わるということですね♪
※ネックの調整はこちらの記事で→ネック調整のやり方♪
②弦高調整
ネック調整とセットで”弦高”も調整します。
ネックを動かせば弦高も変わる。
さらに、半音下げは弦がゆるむので、レギュラーチューニングより弦高が下がる傾向にあります。
これが原因で、ビビリ(弦とフレットが擦れる音)が起こる可能性があるので調整してください。

ネックと弦高はつながってるから、セットで考えよう!
※弦高の調整はこちらの記事で→弦高の合わせ方♪
③オクターブピッチ
ネック、弦高、ときたら最後は”オクターブピッチ”です。
ネックを動かして弦高を変えれば、オクターブピッチも変わります。
3つは全てセットですね!

1つ変えれば全部変わるのが楽器の特性なんだ。
ついでに音も変わるからね♪
※オクターブピッチの調整はこちらの記事で→オクターブピッチの合わせ方♪
半音下げチューニングを使った曲の紹介
半音下げチューニングを使うアーティストの楽曲を紹介します。
注目するのは「開放弦(ゼロフレット)」の使い方です。
・レギュラーチューニングでは出せない低音
・オクターブ上げてしまうと音が軽くなる
・フレーズが弾きやすくなる
というところをポイントに、勝手な解釈で分析してます(笑)
●天体観測/ BUMP OF CHICKEN
●READY STEDY GO/ L’Arc〜en〜Ciel
●TONIGHT/ LUNA SEA
●紅/ X JAPAN
●キミシダイ列車/ ONE OK ROCK
●Pretender/ Official髭男dism
●星座になれたら/ ぼっちざろっく
●天体観測/ BUMP OF CHICKEN
半音下げといえばバンプ?というくら半音下げの曲が多いバンドです。
代表曲”天体観測”は半音下げで演奏されています。
●YouTubeリンク→”天体観測”


[開放弦の使い方]
・イントロの印象的なフレーズ
・2番Aメロ途中の開放弦からのフレーズ
・開放弦を使うと弦移動がしやすい
●READY STEDY GO/ L’Arc〜en〜Ciel
疾走感ある楽曲”READY STEDY GO”
サビのコーラスも特徴的♪
●YouTubeリンク→”READY STEDY GO”


[開放弦の使い方]
・サビ手前のキメフレーズ
・開放弦を使った16分音符の細かいフレーズ
●TONIGHT/ LUNA SEA
歪んだベースがバンドを引っ張る楽曲”TONIGHT”
●YouTubeリンク→”TONIGHT”

[開放弦の使い方]
・間奏の4弦のゼロフレットと3弦7フレットの対比
・オクターブ違いでウネりを演出
・低音を効かせたフレーズ
●紅/ X JAPAN
半音下げてもめちゃ高音域なボーカル”紅”♪
●YouTubeリンク→”紅”


[開放弦の使い方]
・16分音符で演奏される高速フレーズ
・Bメロ、ギターソロで4弦ゼロフレット
・サビで3弦のゼロフレットも使う
●キミシダイ列車/ ONE OK ROCK
映画”るろうに剣心”の主題歌”キミシダイ列車”
●YouTubeリンク→”キミシダイ列車”

[開放弦の使い方]
・サビで4弦ゼロフレットのフレーズ
・ここをオクターブ上の音にすると軽くなる
・TAKAくんのハイトーンを活かすには下のE♭が必要
●Pretender/ Official髭男dism
ポップスソウル的な名曲”Pretender”。
●YouTubeリンク→”Pretender”


[開放弦の使い方]
・4拍目に入る16分音符のフレーズ
・ソウル系の曲でよく使われる動き
●星座になれたら/ ぼっちざろっく
イントロのスラップがキレキレの”星座になれたら”
●YouTubeリンク→”星座になれたら”

[開放弦の使い方]
・2弦から4弦ゼロフレットへ降りるフレーズ
・ルート(オクターブ上)→ルート(オクターブ下)
・ルート(オクターブ上)→5度→ルート(オクターブ下)
ベースで半音下げチューニングをする〜まとめ〜
ということで「ベースで半音下げチューニング」でした!
半音下げチューニングはカンタにできましたね♪
これで、弾ける楽曲も増えます。
半音下げは、
・4弦目のEをE♭(D#)にして低音域を広げる
・ボーカルのキーに合わせて歌いやすくする
という効果があり、楽器担当の方々はすぐに対応する必要があります。
チューナーを使えば楽勝なので、レギュラーチューニングができていれば問題なかったと思います。
E-A-D-Gを→E♭-A♭-D♭-G♭
チューナーのモデルにより表示が変わるので、異名同音でも把握できるようにしておきましょう♪
「E♭-A♭-D♭-G♭」と「D#-G#-C#-F#」は同じ音程です。
ライブで、半音下げとレギュラーのチューニング曲を両方演奏する場合は、MC中にチューニングを変える必要があります。
ちょっと手間ですが、ささっとできるようにしておきましょう!
メジャーのアーティストさんは、半音下げ用のベースを用意していると思われます。
なので、半音下げ用のベースを用意するのもあり?でしょうか?
もしくは、5弦ベースを使えば”E♭”より下の音が出せます。
5弦ベースをゲット?しちゃいますか?
ってことで「半音下げは慣れておいてね〜♪」
かつて、
ハイトーンで歌っていたアーティスト。
半音下げチューニングで歌うようになっている。
高音が出なくなっているということか。
それもまた人生。
また会おう♪











コメント