
ベーシストにとってもスケールを覚えることはフレーズ作りで大事な要素になる♪

アドリブや作曲、コードの理解につながるから覚えておきたいよね♪
今回は「ベースで覚えるスケール講座」ということで、ベーシストが覚えておきたいスケールについて解説します。
ルート中心のフレーズから少しステップアップして、より多彩なフレージングを目指してみましょう♪
【今回のポイント】
・よく使うスケール
・より深く理解したいスケール
・ウォーキングラインやアドリブに役立つスケール
・タブ譜と音源でチェック♪
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| タイトル | 内容 |
|---|---|
| 基本のスケール | ・メジャースケール ・マイナースケール |
| ペンタトニックスケール | ・メジャーペンタトニックスケール ・マイナーペンタトニックスケール |
| ブルーススケール | ・ブルーノートを覚える |
| モード | ・モードの解説 ・7つのモード |
| ダイアトニックコードとセットで覚える (重要!) | ・ダイアトニックコード ・スケールとコードを合わせて理解 |
| 特殊なスケール | ・ディミニッシュスケール ・ホールトーンスケール ・オルタードスケール |
| 譜面で実践♪ | ・どこのどのスケールを使うか? ・譜面を見て判断する練習♪ |
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ベースで必須のスケールを指板で覚える
スケールと言っても数多くあり、一気に覚えるなんて大変です。
なので、基本からちょっとずつ理解していきましょう。
①メジャースケール
②マイナースケール
③ペンタトニックスケール
④ブルーススケール
⑤モード
⑥ダイアトニックコートをセットで覚える
⑦特殊なスケール
⑧譜面で実践
①メジャースケール
まずは基本中の基本を覚えましょう♪
”メジャースケール”と”マイナースケール”です。
[メジャースケール]
・ドレミファソラシドの音階
・”C”から弾いた音階を”Cメジャースケール”という
・運指と形で覚える
・フレット番号で覚えないようにする
※便宜上タブ譜を記載
↓


形はそのままでスタートの音を変えれば違うメジャースケールができます。
4弦5フレットからメジャースケールを弾いてみましょう♪
↓


↑
これを”Aメジャースケール”といます。

形を覚えればどこからでもメジャースケールが弾けるよ!
②マイナースケール
マイナースケールは実は3種類あります。
ここでは、基本の”ナチュラルマイナースケール”を紹介♪
※3種類のマイナースケールについてはこちらの記事で解説→マイナースケール講座♪
[ナチュラルマイナースケール]
・ラシドレミファソラの音階
・運指と形で覚える
・フレット番号で覚えないようにする
※便宜上タブ譜を記載

「ラシドレミファソラ」はピアノの白鍵だけで弾いた音階になんだ。
まずはこの音階でスケールの形を覚えよう♪
↓


形はそのままでスタートの音を変えれば違うマイナースケールができます。
3弦のCからナチュラルマイナースケールの形で弾いてみましょう。
↓


↑
これを”Cナチュラルマイナースケール”といいます。
ポジションの移動ははメジャースケールと同じ考え方です。
「形をそのままでスタートの音を変えるだけ」

形で覚えるのはベースって楽器の特性みたいなものだね♪
③ペンタトニックスケール
ペンタトニックスケールもよく使います。
というか、一番使うかもしれないので必ず覚えましょう!
[メジャーペンタトニックスケール]
・略して”メジャーペンタ”
・メジャースケールの4つ目と7つ目の音を外した音階
・ベースラインやアドリブで活用



スケールの形はいろいろ考えられるけど、弾きやすいポジションで覚えよう♪
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[マイナーペンタトニックスケール]
・略して”マイナーペンタ”
・ナチュラルマイナースケールの2つ目と6つ目の音を外した音階
・ベースラインやアドリブで活用



広い範囲で動けるようにポジションを拡大して覚えよう♪
↓

ペンタトニックについてはこちらで解説→ペンタトニックスケールの使い方♪
④ブルーススケール
ブルーススケールは、ブルーノートといわれる”特定の音を低く演奏して独特の哀愁を生む音”を使ったスケールです。
Cメジャースケールをもとにすると「E(3度),G(5度),B(7度)」の音がそれぞれ半音下がったのが”ブルーノート”になります。

このブルーノートからできたスケールが”ブルーススケール”です。
解釈として「マイナーペンタトニックに♭5度を足したスケール」と覚えてOKです。
↓

もしくはメジャーペンタトニックにブルーノートを混ぜることもできます。
↓


「メジャーペンタでアドリブを弾いてるときに、♭3度を入れてみる」みたいに使ってもいいね♪
⑤モード
超シンプルに”モード”とは何か?
「メジャースケールのどの音から始めるかで、雰囲気が変わるスケール」のことです。
「ドレミファソラシド」の「レ」からスタートした音階や「ミ」からスタートした音階が合計7つできます。

始める音によって音階に”明るい”や”暗い”みたいなキャラクターができるんだ♪
この7つの音階を”モード(教会旋法)”と呼びます。
そして、7つのスケールにはそれぞれ名前がつけられています。
Cメジャースケール(key=C)をもとにすると?
↓


key=Cの場合のモード一覧♪
↓
| モード名 | 開始音 (Cメジャーkey) | 音列 |
|---|---|---|
| イオニアン (メジャースケール) | C | C–D–E–F–G–A–B |
| ドリアン | D | D–E–F–G–A–B–C |
| フリジアン | E | E–F–G–A–B–C–D |
| リディアン | F | F–G–A–B–C–D–E |
| ミクソリディアン | G | G–A–B–C–D–E–F |
| エオリアン (ナチュラルマイナースケール) | A | A–B–C–D–E–F–G |
| ロクリアン | B | B–C–D–E–F–G–A |
[注目!]
1番目のイオニアンと6番目のエオリアンのスケールは”メジャースケール”と”マイナースケール”の音階になります。

↑
この2つは”メジャースケール”や”マイナースケール”の正式名称ってことね♪
2つともモードの仲間!
⑥ダイアトニックコードとモードを合わせる
先ほどのモードは”ダイアトニックコード”という理論とつながっているので、合わせて覚えましょう♪
[ダイアトニックコード]
決められた音階(ドレミファソラシド)を使ってできたコード(和音)のこと。
これらの音を使って和音作ったのがこちら♪
※key=Cの場合のダイアトニックコード
↓

コードネームをつけると
↓


↑
ドレミファソラシドの音を1つ飛ばしで積み上げていくと、「ドミソシ」や「レファラド」って和音が7つできる。
それにコードネームをつけたのが”ダイアトニックコード”ね♪
本題はここからです!
このダイアトニックコードにはそれぞれ使えるスケールがあります。
そこで出てくるのが「モード」になるわけです。
モードは7つありましたよね?
ダイアトニックも7つのコードがありました。
ということは!
「1番目のモードは1番目のダイアトニックコードで使えるスケール」ということになります。
「1番目」というのを音楽的には「Ⅰ度(いちど)」といいます。
これを度数といって「7番目」が「Ⅶ度(ななど)」

Cメジャースケールを例にして、全部合わせてみよう!
↓
| 度数 | モード | ダイアトニックコード (key=C) |
|---|---|---|
| Ⅰ | イオニアン | CM7 |
| Ⅱ | ドリアン | Dm7 |
| Ⅲ | フリジアン | Em7 |
| Ⅳ | リディアン | FM7 |
| Ⅴ | ミクソリディアン | G7 |
| Ⅵ | エオリアン | Am7 |
| Ⅶ | ロクリアン | Bm7-5 |
「2つをつなげてどうするの?」ですが、最終的に「曲の中でどう使うか?」がポイントになります。
上の表を見て→キーがCで→譜面にDm7(Dm)があったら→「ドリアンスケールが使える♪」となればマスターです!
※のちほど実践♪

この基礎ができたら”キーを変えたときの対応”や”ダイアトニック以外のコード”が出てきたらどうするかなどを深掘りしていこう♪
ダイアトニック理論について詳しくはこちらの記事で→「ダイアトニックコード理論の解説♪」
⑦特殊なスケール〜ディミニッシュ/ホールトーン/オルタード〜
モードに属さない特殊なスケールも紹介します。
[ディミニッシュスケール]
・正式には”コンビネーションオブディミニッシュスケール”
・2種類ありコードによって使い分けする
・半音と全音の組み合わせ(ハーフホールディミニッシュ)
・全音と半音の組み合わせ(ホールハーフディミニッシュ)
・不安定、緊張感をつける音階
・8つの音で構成される





コードが
「○dim」ならハーフホールディミニッシュ
「○7」ならホールハーフディミニッシュ
を使うのがいい感じ♪
[ホールトーンスケール]
・全音だけで構成されたスケール
・1オクターブの中に6つの音
・浮遊感のある音階
・○7や○aug(オーグメント)で使われる
・例えばCaugでCホールトーンスケールを使う



ホールトーンは使いすぎると「どこに向かってるかわからない音階」だから味付け程度に使おう♪
[オルタードスケール]
・メロディックマイナースケールの7番目のモード
・例えば:
”Cオルタードスケール”は、”D♭メロディックマイナー”の音をCから並べたもの
・♭9, ♯9, ♯11, ♭13 といったテンションノートが全部入っている



実はメロディックマイナースケールの方が覚えやすいんだ♪
演奏するときは「弾きたいオルタードの半音上のメロディックマイナーを弾く」って感覚♪
”Cオルタードスケール”を弾くときは、”D♭メロディックマイナー”を弾けば構成音が同じということです。
↓
| スケール名 | 構成音 |
|---|---|
| Cオルタード | C-Db-Eb-F#-Ab-Bb |
| D♭メロディックマイナー | Db-Eb-F#-Ab-Bb-C |
↑
Cオルタードスケールの2番目から弾けばD♭メロディックマイナーになりますね。
これらのスケールは使う機会は少ないですが、特殊なコードが出てきたときやアドリブに変化をつけたいときに有効になります。
基本スケールが覚えられたら、特殊なスケールも覚えてみてください♪
⑧譜面で実践♪
ここまで紹介したスケールを「どのコードで使うか?」を実施してみましょう♪
1つのコードに対して使えるスケールは1つではなく、いくつか考えられます。
曲の雰囲気や流れでベーシスト自身が判断するわけです。

フレーズをどうしたいかによって変えるんだ。
例えば、
・シンプルな動き→ペンタトニック
・ジャズ的な動き→モード
・アドリブ→モード,特殊スケール
みたいに使いわけてる♪
ではコード進行に対して「超シンプルなスケール」「ジャズ的なアプローチ」「アドリブをする場合」を想定してスケールを選んでみましょう。
[超シンプルなスケールの場合]
・メジャーコード→メジャーペンタ
・マイナーコード→マイナーペンタ
・特殊なコード→コードネームで判断

基本はペンタトニックでメジャーコードとマイナーコードを分ければ問題なく演奏できます。

「G#dim(ディミニッシュ)」はコードネームにあるとおり「ディミニッシュスケール」を使うんだ♪
[ジャズ的なアプローチの場合]
モードとダイアトニックコードの考え方でスケールを当てはめる
key=CなのでCのモードとダイアトニックコードを組み合わせてスケールを判断します。
もう一度モードとダイアトニックの関係をチェックしましょう♪
↓
| 度数 | モード | ダイアトニックコード (key=C) |
|---|---|---|
| Ⅰ | イオニアン | CM7 |
| Ⅱ | ドリアン | Dm7 |
| Ⅲ | フリジアン | Em7 |
| Ⅳ | リディアン | FM7 |
| Ⅴ | ミクソリディアン | G7 |
| Ⅵ | エオリアン | Am7 |
| Ⅶ | ロクリアン | Bm7-5 |
[手順]
コードを見てダイアトニックの何番目かを見る
↓
モードの何番目(何度)かを照らし合わせる
↓
コードがDm(Ⅱ度)ならドリアン(Ⅱ度)
コードがF(Ⅳ度)ならソリディアン(Ⅳ度)


例えば、コードが3和音の場合”Dm”で、4和音を使った場合”Dm7”という表記をするんだ。
どちらもダイアトニックの2番目ってことでOK!
3和音4和音は曲の雰囲気や方向性で決められます。
どちらが使われていても対応できるようにしましょう!
[アドリブする場合]
アドリブはジャンルでも使うスケールを選んでいきます。
例えば:
・ロック系はペンタトニック1発
・ジャズ系はモードや特殊スケール
など、シンプルにするか、あえて複雑にするか、アプローチが変わります。
ロック系なら?
key=Cの場合:CメジャーペンタorAマイナーペンタ1発!
※key=Cでは1度(C)と6度(A)のどちらかが中心になる
↓


↑
コードが4つ使われているけど、ロックは1つのスケールで押し切ってもOK!
逆にオルタードやホールトーンは「なんか合わない」ってなる。
モードを割り当てるなら、
・C→イオニアン(メジャースケール)
・F→リディアン
・G→ミクソリディアン
・Am→エオリアン(マイナースケール)
になります。
ジャズ系は?
↓

コードが複雑になり、スケールも複雑になりますね。
ただ、ジャズ系でもコードごとに毎回スケールを変えるのは大変です。
実際は、「コード進行を一括りにして、そこに1つのスケールを割り当てて弾く」というやり方がいいと思います。

このコード進行なら、
・CM7-Am7-Dm7-G7まとめてメジャースケールorドリアンorAマイナースケール
・B7(b9)がBオルタード
・Em7-A7まとめてAオルタードorEフリジアン
・Dm7-Gaug7まとめてGオルタードorDドリアン
・Gb7がオルタード
みたいにまとめると弾きやすくなる。
↓

スケールの選択は感覚的なところです。
ジャズ系の曲で”ペンタトニック1発”で弾き切るのも、かっこいいかもしれません。
ベースで覚えるスケール講座〜まとめ〜
ということで「ベースで覚えるスケール講座」でした!!
ベーシストもスケールは必須の要素です!
スケールを覚えることで、
・フレーズが作れる
・アドリブにつながる
・音楽的理解が深まる
・運指練習にもなる
って感じで、得られるものはメリットばかりです。
「このコードでは使えるスケールは?」と悩む時期はもう終わりです。
「このキーでこのコードはミクソリディアンだ!」ってすぐにわかると思います。
あとは実践あるのみ!
英単語を知ってても、一度もしゃべらなかったら、英語は話せないのと同じです。
1つスケールを覚えます。
音を出します。
また1つスケールを覚えます。
音を出します。
この繰り返しですね♪
一歩ずつ音階とともに上っていきましょう!
ってことで「スケールはめちゃ大事〜♪」
音階を順に上って覚える。
一歩ずつ上ればいい。
間を飛ばして上ることはできない。
まだ小さいキミはから。
大きくなったら、
キミはどこでも行ける。
また会おう♪










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