
8ビートや16ビートはどんなジャンルでも必要なリズムの要素!

この2つの違いってなんだろうね?
今回は「8ビートと16ビートの違い」を解説します!
ロックやラテン,ファンク,R&Bなど多彩なジャンルで使われる8ビートや16ビートのパターン。
「でも結局、ビートの違いって何?」
という疑問に答えていきたいと思います。
ベーシストだけでなく音楽は知識として知っておけば、アレンジなどの役に立ちます。
ドラムやギター, 歌メロとの関係も合わせて見ていきましょう♪
【今回のポイント】
・8ビートと16ビートの違い
・リズムパターンの違い
・音を聴いて解説
・アーティストの楽曲で解説
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| タイトル | 内容 |
|---|---|
| 8ビートと16ビートとは? | ・8ビート ・16ビート |
| 2つのビートの違いを解説 | ・譜例で解説 ・音を聴いて解説 |
| 楽曲のビートを変える実験♪ | ・8ビートを16ビートに変える ・ベース&ドラムのパターン |
| メロディに対する8ビート16ビート | ・メロディを変えずビートを変える ・8ビート/16ビート ・4ビート/シャッフルビート |
それでは今日も行ってらっしゃい♪
ビートとリズムについて〜8ビート・16ビート〜
まず「ビートって何?」というところから「リズムとの違い」を見ていきましょう。
●ビート
●リズム
●ビート
「ビート」と「リズム」。
この2つはお互いに関係していますが同じモノではないです。
[ビート(Beat)]
・一定の間隔で繰り返される拍
・1小節を一定間隔で区切る数(土台)

8ビートは小節を8個に区切りますが「8個の音符で埋める」というわけではないので注意です!
16ビートも同じく。
●リズム
[リズム(Rhythm)]
・ビート(土台)の中に並ぶ音の長さ
・休符も含めた音の間隔


「ビートを8つに区切って、その中にリズムをはめ込んでいく」
みたいな感じだね♪
8ビートと16ビートの違い
ビートとリズムの要素を前提に、8ビートや16ビートを定義していきます。
ベースとドラムの視点で見ていきましょう♪
●8ビートのベースライン
●16ビートのベースライン
●ドラムの8ビートと16ビート
●ビートの違い〜まとめ〜
●8ビートのベースライン
簡単にいうと8ビートは「8分音符で作られたパターン(フレーズ)」ということになります。
ベースラインを見るとこんな感じです♪
↓

このフレーズの中に4分音符が入ると?
↓

↑
これも8ビートです。
4ビートとは言いません。
さらに16分音符が入ると?
↓

↑
これも8ビートのパターンです。

「フレーズ全体の土台が8分音符主体になっている」ということだね♪
では16ビートは?
↓
●16ビートのベースライン
16ビートも同じく「16分音符で作られたパターン(フレーズ)」ということですが、結局は?
「フレーズ全体の土台が16分音符主体であるかどうか」ということでビートが決まります。
16ビートのベースラインはこんな感じです。
↓

↑
16分音符で埋められてないですよね?
でもこれは16ビートです。

このパターンを弾くと、16分音符のビート(土台)を感じることができる。
海外では16ビートを「16フィール」「16th Note Feel」と言ったりします。
どんな音符で曲を”フィーリング(感じる)”するか?ですよ!
●ドラムの8ビートと16ビート
ビートはドラムとの関係が重要になってきます。
ドラムの8ビートパターンは?
・ハイハットを8分音符で刻む
・バスドラムが8分音符で入る
・バスドラムがウラ拍に入るパターンもある

では16ビートパターンは?
・ハイハットが16分音符を刻む
・バスドラムが16分音符で入る
・バスドラムが16分音符ウラに入るパターンもある

ただ、これだけの要素ではなく、パターン全体のフィール(感覚)でビートが決まります。
ちょっと難しい感覚ですが、、、

例えば、ハイハットが8分音符でバスドラが16分音符ウラに入ると?
↓

↑
筆者はこのパターンを16ビートに感じます。

逆に、ハイハットを16分音符でバスドラを8分音符オモテウラに入れると?
↓

↑
こちらは8ビートに聴こえますね。
「16分音符が入ったから=16ビートではない」、と覚えておきましょう。
のちほど解説する”タイミング”がカギになります。
●ビートの違い〜まとめ〜
2つのビートの違いを要素ごとにまとめておきます。
↓
●要素①:1小節の土台の区切り方
・8ビートは8個の区切り
・16ビートは16個の区切り
●要素②:音符だけで判断できない
・16分音符が入る=16ビートではない
●要素③:ビートは1つの楽器だけで決まらない
・リズム隊の作る全体のノリでビートを決める
・ギターやピアノのリズムでも決まる
●要素④:フィーリング
・フレーズを聴いた(弾いた)時のフィール(感覚)が大事!

ビートの違いは”聴いた感覚”ってとこだね♪
曲を聴いて「8ビートか16ビーか?」さらには「4ビートか?」とわかるには、経験から来るところは大きいです。
次の項目で感覚を養う実験をしてみます♪
↓
8ビートを16ビートに変える実験♪
この項で何をするのかというと?
8ビートのフレーズをベースとドラムのパターンを変えることで「16ビートに変えてしまう」という実験です。
ビートの感覚を養ってください。
●8ビートパターン例
●ベースラインを変えて16ビートにする
●ドラムパターンを変えて16ビートにする
●これは16ビート?
●ウラ拍のタイミングがカギ
●1つの楽器でビートが決まらない
●8ビートパターン例
まずは基本の8ビートパターンを決めます。
ベースはこのパターン
↓

ドラムはこのパターン
↓

基本は3拍目のバスドラムとベースのリズムを合わせています。
この8ビートパターンをお互いのフレーズを変えて16ビートに変えてみましょう。
↓
●ベースラインを変えて16ビートにする
ドラムパターンはそのままで、ベースラインだけを変えて8ビートを16ビートにできるでしょうか?
アイデアとしては「16音符の入れるタイミング」です。

16分音符を入れたらビートが変わるって話ではなかったよね?
16分音符をどこに入れるかが重要なんだ!
実は、1箇所プラスするだけでOKです。
↓

聴いてみましょう♪
↓
・ウラ拍に16分音符を入れる
・後の音はそのまま
これで全体の区切りが16個になります。
●ドラムパターンを変えて16ビートにする
次にベースラインはそのままで、ドラムパターンを変えて16ビートにしてみます。
こちらも「16分音符を入れるタイミング」ですね♪
先ほどのベースと同じタイミングにバスドラムを入れてみると?
↓

バスドラムを1つ加えるだけで16ビートになりますね!

ドラムはバスドラム以外にスネアやハイハットもあるから、それぞれのタイミングを変えて16ビート感を出せるんだ♪
↓
ハイハットを16分のタイミングに入れると?
↓


↑
このハイハットはセンスがないと、16ビートのニュアンスが出せないよ。
16分ウラのアクセントもポイント!
スネアに16分音符を加えると?
↓


これもかなり作り込まないとできないパターンだね。
ウラ拍のゴーストノートの隠し味が効いてる!
●これは16ビート?
このパターンは16ビートに聴こえるでしょうか?
・ベースが8分音符を刻む
・ドラムのハイハットが16分音符を刻む
どっちに聴こえますか?
↓

「これは、8ビートかな〜?」ですね。

大きなノリが8分音符主体に聴こえるんだよね。
ここが難しいところ。
もう一つ例をあげると、これはどっちでしょうか?
・べースが16分音符主体のフレーズ
・ドラムのハイハットが8分音符
↓

これも、8ビートに聴こえます。
大きなノリは8分音符になってるんですね。

ここまでやった実験は、すべて感覚の問題なんだよね。
16ビートに聴こえたら、16ビートなんだと思う。
●ウラ拍のタイミングがカギ
8ビートと16ビートを分けたポイントというのは「ウラ拍のタイミング」にあります。
ビートを16ビートにしたいときは「16音符のウラ拍を強調するパターン」にすればいいわけです。
↓

これまでの実験で16ビートに変えたパターンはすべて16分音符ウラに音を入れましたよね?
16分音符のオモテは、8分音符のタイミングと同じなので、そこを強調しても16ビート感は出ないということになります。
↓


こんな感じでバスドラを16分のウラ拍に入れても16ビートになるよ。
↓

符点8分と16分ウラのパターンです。
3拍目は8分ウラにして、オモテを強調しないようしています。

でも、この上に乗っかるベースラインによっては、8ビートになる可能性もあるんだよね。。。
ん〜、なかなか難しいですね〜
●1つの楽器でビートが決まらない
つまり、「”ビート”というのは1つの楽器で決まらない」ということです。
8ビートのドラムに16分音符ウラのベースが乗っかると?
↓
「16ビートに聴こえる」でしたね。
このように、お互いのパターンが影響しあって曲のビートを作っているわけです。

プラスして、ギターや鍵盤楽器のリズムパターンなんかも関係してくるんだね。
曲に対して大きなノリをどうするか?
バンドで作り上げていきましょう!
メロディに対する8ビートと16ビート
「その曲の印象は?」と聴くとまず”メロディ”が思い浮かびます。
このメロディに対してビートを変えると、曲の印象が変わるかどうか?
モンゴル800の「小さな恋のうた」を元に”メロディに対するビートを変える実験”をしてみます。
※違いをわかりやすくするためにテンポを落として演奏しています
●基本のメロディ
●8ビート
●16ビート
●4ビート
●シャッフルビート
●基本のメロディ
まずは、元になるメロディを聴いてみましょう♪
※テンポはゆっくり
↓
このメロディに乗せるビートを変えてアレンジする実験です!
↓
●8ビート
8ビートは原曲でもともと使われているビートです。
[パターン]
・ベース:8分音符で刻むフレーズ
・ドラム:バスドラムが1,3拍目に入る


これをテンポ上げしたら、原曲のパターン近いアレンジだね♪
●16ビート
16ビートはファンク,R&B系のリズムにしてみます。
[パターン]
・ベース:音数は少なく16分音符ウラ
・ドラム:2拍目16分音符ウラのバスドラム
・間を作って16分音符のリズムを活かす


ここにギターのカッティングが入ると、ファンクだよね♪
●4ビート
おまけに”4ビート”のアレンジもしてみます。
[パターン]
・ベース:ウォーキングライン(4分音符)
・ドラム:ライドシンバルが4分音符を刻む, バスドラムは1,3拍目
※バスドラムを1~4拍目すベてに入れてもOK


ベースがウォーキングするだけで、ジャズっぽくなるのがわかるね♪
※ウォーキングベースについてはこちらの記事で→ウォーキングベースの作り方♪
●シャッフルビート
こちらはリズムのノリ自体を変えてしまうので、趣旨とズレますが参考までに聴いててみてください♪
”シャフル”とはハネたリズムのことです。
8分音符ウラのタイミングがポイント。
↓

※タブ譜表記の仕方に注意
[パターン]
・ベース:8分音符でハネる
・ドラム:ハイハットが8分音符でハネる
・メロディもハネさせてアレンジ

このアレンジは8分音符でハネているので”8ビートシャッフル”といいます。

メロディを変えずに、いろんなアレンジできるんだね!
ビート,リズム,メロディといった要素で曲のアレンジにチャレンジしてみてください♪
8ビートと16ビートの違い〜まとめ〜
ということで「8ビートと16ビートの違い」でした!
長々と話しておいて最後にお伝えしたいのが、
音楽の現場で「この曲は8ビートね」って会話がほぼないのです。
↑
え、ないの?
はい「ビートのことは深く考えてないから、ビートの話をしない」というロジック。
「ビートが8だから、音符は8分音符で、、、」なんて考えて弾いていません。
何が大事か?
↓
「曲に寄り添う」という意識が大事です。
”合わせる”ではなく”寄り添う”のです。
・このフレーズでメロディが活きる
・このフレーズはドラムのパターンを邪魔してない
・相乗効果で力強いサウンドを演出
・曲全体としてゆったり聴かせたい
・疾走感を出したい
など、”楽曲をよくするためにはどうするか?”を考えます。
その結果フレーズを紐解くと
↓
「これは8ビートってことか」とアレンジの後で分かります。
「音楽家としての目的は?」
ビートを決めることではなく、曲をより良くすることです。
その手段として、ビートがあり、リズム,音色,アクセント,歌い方などがあるわけです。
楽曲のためになれば、ビートなんてなんでもいいでしょう。
というのが、筆者の考えです。
「手段と目的を見誤らない」ですね!
★曲がよくなれば、なんでも良いです〜★
結局はそんなとこ♪
ってことで「ビートマニアになってね〜♪」
「ビート」
初めて買ったCDが、
GLAYのアルバム”BEAT out!”
外れたビート。
それも、ロックか。
また会おう♪







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